ハンドシェイプ と サーフボードデザインソフト の話
1番初めにシェイプソフトを使い出したのは17年前くらいだったかな?その頃はシェイプ初めて5年程度で丁度クラークフォームも潰れた時で国産のブランクスの開発などを手伝っていてそこでマシンシェイプを使っていて少し興味があり知人の紹介でマシン屋さんを紹介してもらいボードをスキャンしたのがきっかけでAKUのソフトを少し使い出しました。ソフトを使った第一印象は超簡単と思いました。元々IllustratorやPhotoshopなどを使っていたのでソフト自体は結構簡単な感じでした。仕事の都合上何度かカットも出したしデータも調整とかしてたりとかもしてたのですが、やはりハンドシェイプの方が全然楽で早いので実際に使ったのは数ヶ月でカットもそんなに出さなかったです。それが1番初めで。
そして本格的に使い出したのが2016年からです。なんでこの年からサーフボードデザインソフトやマシンシェイプを始めたかというとWRVに加入してアメリカでシェイプするようになったからです。1番初めにアメリカに行った時に次に来る時はこっちでシェイプするからShape3dのファイルがあった方が仕事がはかどると言われたので、帰国後にすぐにボードをスキャンする為にShape3dを使えるマシン屋さんを探しました。まぁすぐに見つかります。そこからはカットしては調整の繰り返しで数ヶ月かけ6モデルぐらいのデータを作りました。Shape3dのソフトはAKUに比べて少し難しいです。どう難しいかは使ってみればわかります。多分だけどマシンシェイプしかしてないフェイクシェイパーは大体AKUのソフトを使っているイメージがあります。僕主観ですが… イメージAKUは初心者から使えてShape3dは中上級者以上のイメージです。そして僕のソフトの使い方は多岐に渡ります。データを使ってカットはもちろんですが、データを使ってハンドシェイプもします。PC上にデザインのデータがあり、それを紙に書き出し、ハンドシェイプをします。自分自身がマシンと同じ役割をすると言うことで、マシンシェイプとハンドシェイプの仕上がりにギャップもほとんどありません。もう最近では当たり前ですがなんせモデル数が多く覚えきれないのが現状です。年齢もありますが… よく出るモデルはもちろん全て把握していますが、削る頻度があまりないモデルも正直あります。そして何より各モデルに対して縮小拡大のサイジングが無限にあります。もちろん自分の法則もあるのですが、割とソフトの法則も近いので、今ではオーダー入るとソフト上でサイズ入力して数値を書き留めてハンドシェイプします。僕のハンドシェイプの精度は高い方なのでほぼほぼデータ通りにシェイプが完了します。ニューモデルを作る時も同じです。ソフト上で新しいアウトラインを引いて、後は無数にある僕のパターンを組み合わせればニューモデルのデザインが完成します。後はハンドシェイプするだけです。そして書き留める数値の数ももうあるモデルならアウトラインのテンプレートがあるので10以下です。それでソフト通りの自分のカーブのサーフボードがシェイプ出来ます。そして最近みんなが気にしているリッター数も大体合ってきます。シェイピングマシンはシェイプする為に数値を数万単位で書き出しますが、僕はテンプレートがあるので10以下です。まぁ高性能です。シェイパーはどんな方法を取っても最終的に自分のデザインを形にする事が仕事です。マシンを使おうがハンドだろうが出来てくるボードが同じで無ければならないのです。
そして最近の自分は何をしてるかというと全モデルのデータを同時進行で調整の真っ最中です。もともと完璧なデータを持っているのになんで調整が必要かというと同じデータでもマシンによって出てくる形が変わるからです。各マシン用にデータを微妙に変えるのです。僕はいくつかのマシンを各地で併用してるのでそういうデータ作りが必要なのです。少し難しい話ですが、日本人の一般的なシェイパーはこの事は知らないと思います。各地で様々な種類のマシンを使いシェイプしている日本人シェイパーはそれほどいませんので。ですので結果1つのマスターデータから各マシン用(3〜4台)とハンドシェイプ用にデータを書き出して総合的にシェイプしています。要はデザインソフト「複数」X マシン「複数」の組み合わせが何通りもあり、そしてマシンのセッティングが各マシンごと「各工場ごと」に違うので、一つのソフトと一台のマシンの為にどれだけデータを完璧に作り上げたとしても、カットするマシンが変われば出てくる形が変わりギャップがうまれます。奥が深いでょ?笑
複合的にこの事を理解して調整が出来て、世界各地どんなマシンを使ってカットしてもハンドシェイプと全く同じ形をシェイプ出来るのが一流のシェイパーですかね。あと一流のシェイパーはハンドシェイプを完璧に出来ることも重要です。マシンは急に故障することもありますからいつでもバックアップは必要です。僕もアメリカでこの経験がありハンドシェイプに何度か切り替えたことがあります。マシンがあればカットする、無ければハンドでシェイプする。これは一流のシェイパーなら出来て当然のことなのです。
因みにサーフボードデザインソフトやスキャン、シェイプマシンを使って某有名ブランドのコピーボードを作っているような人はシェイパーでもなんでもありません。ただの泥棒です。自分のデザインを追求しましょう。って感じです。
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